それぞれの人生を歩む

フットケアというお仕事をさせて頂いていると、たくさんの方々とお話する機会を頂きます。

足にトラブルのある方は、年齢性別を問いません。

ただ、高齢になるほど爪が厚くなったり、巻いてきたりして、ご自身やご家族がお爪を切ることが

困難になってきます。

ですので、特にそういったご年配の方々とご縁を頂くことが多いです。

介護施設様にも訪問して、爪切りなどをさせて頂くのですが、

その際その方のお話、その方が歩いて来た軌跡について伺うのが大好きです。

特に私の大先輩、80代や90代、まれに100歳以上の方からお話を聞くのは本当に勉強になります。

 

先日は84歳の女性、N様が、魚の目の痛みで初めてご来店くださいました。

N様はいくつか持病を抱えながらも、84歳で現役!

亡くなられた旦那様の会社を引き継いて未だに社長として働いておられました。

今も身の回りのことをご自身でしながら、独りで暮らしているとのこと。

近くに息子様ご家族が見守られてはいますが、買い物や炊事洗濯、ほとんどご自分でなさるそうで。

身だしなみも素晴らしく、美容院にも頻繁に通われ、お化粧も毎日しっかりなさって、40代の私より全然女子力高い!!(笑)

 

普段介護施設では、80代の寝たきりの方や歩けない方、認知症の方を見慣れているので

こういう生き方もあるのかと、感慨深かった出会いでした。

魚の目の痛みもなくなり、大変喜んで下さりました。

歩きやすくなって、N様の人生がますます素晴らしいものになるように願っております。

 

N様の印象的だった言葉が「もういっそ、ボケてた方が楽よ」

はたから見ると、素晴らしい人生でもそれを維持するためには相当ご苦労されているのでしょう。

たまたまそういう境遇に置かれたため、今も現役で頑張っておられると。

 

私も今は、80歳くらいまで健康で、働けたらいいなと漠然と思っていますが、80歳になったら

「もうたくさんだ」となるのかもしれません。

その時になってみないと分かりませんけどね。

 

しかしたとえどんな人生だったとしても、人生に良し悪しはないと思います。

生きるってことは、楽しいことばかりではなく、特に今の時代とても大変なこと。

誰だって、その人なりに精一杯生きている

 

生きているだけで、本当にすごいと思うし、

特に80年、90年間と生きてこられたという事実に、心から尊敬します。

他人が表面だけ見て、その人生は正しい、間違っているなんて判断することは

ナンセンスだと思います。

 

私も人生の折り返し地点は過ぎていますが、今できることを、できる限り楽しみながら

生きていこうと思います。

今、健康であること

働かせて頂けること

たくさんの方々とお会いさせて頂けること

感謝の気持ちを忘れずに、

たくさん失敗もしながらも、本日も精進していこうと思います。

 

皆様も、どうぞ貴重な今日を、楽しくお過ごしくださいませ。

 

いつかの桜

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