足は人生を語る
2009年にドイツに行き、初めてポドロギー(ドイツのメディカルフットケア)を学びました。
それから、10年。たくさんの足を拝見しました。
基本的に拝見するのは、巻き爪や痛みのある魚の目など、主に何かしら問題がある足ということになります。
最近つくづく、足はその方の人生を物語っているなと思います。
足の問題は、その方の生き方がそのまま反映されているように感じます。
それは職業だったり、日々の生活習慣だったり、その方の気質だったり。。
例えばうちの父、高校卒業後10代からおよそ60年、大工を続けてきました。
父は両方の足の関節が全体的に硬く、足首も足指も動きが悪いのです。
そして両拇趾の爪が巻き爪です。
元大工の父曰く、「この足は屋根の上でも、ずっと身体を支えてくれてたんだから硬くもなるさ」と。
確かに、父のように指先で踏ん張るような状況に日々晒されている方では
拇趾など指先にかなりの負荷が掛かることになります。
繰り返し負荷が掛かるところに、問題が出やすいのは当然のことでしょう。
父の足、大工の足
それは足だけに限ったことではなく、身体全体に言えることだと思います。
しかし重力があるが故、そして人類は二足歩行なので体の中でも全体重を日々支える「足」には問題が出やすいのです。
スポーツも足に大きな影響を与えます。
例えば剣道やサッカーなど、指先に負担が掛かるスポーツを日常的に繰り返す方では、
巻き爪になる確率も高くなります。
また、その方の気質も足に反映されるなあ、と感じます。
また父の話に戻りますが、非常にせっかちでまじめな父です。
こころが急いでいる時って、やはり歩く姿勢にも現れますね。
旅行先などで撮った過去のどの写真を見ても、父は常に前傾姿勢で歩いています(笑)。
これは足の使い方の癖(前側に体重を掛ける癖)に加えて、せっかちな気質も関係していると思います。
父の他にも、足の前足部や指先に問題が出ている方で、お話を聞いているとやはり
まじめでせっかちな方が見受けられます(もちろんそうじゃないケースも多々ありますが)。
日々の生活習慣や気質、意識などが総合的にその人の身体を創る
身体の中でも足の状態は、その方の生き方のバロメーターと言えるかもしれません。