ポドロギー中間試験 2

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2009年から2012年にかけてドイツに滞在し、ウルム(ULM)という街でポドロギー(Podologie)を学びました。

その際に書いていたブログをこちらにリライトしていこうと思います。

それに伴い、前記事は徐々に削除していきます。

ここで掲載されている情報は、その当時のものですので現在変わっている可能性が高いです。

または私自身の認識が間違っていることも考えられますので、ご自身でも常にご確認下さい。

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ポドロギー中間試験報告   2011.09.30の記事より

 

そして一昨日、昨日と中間試験でした。

このテストは2年間のうちの一年目終了時の状態をチェックする
もので、課題はカルテ作成含むフットケアの実技と
オトーゼおよびスパンゲです。

一日目がオトーゼ。
患者さんは全員何かしらオトーゼが必要な方々で、
どの部分のどの疾患に対してオトーゼを作るのか、自分で判断して
まず先生に計画を報告します。
そして先生のOKが出たら、さっそくオトーゼ作りに。

今まで習ったタイプは二種類で、魚の目や胼胝に対しての摩擦防止用
のものと、外反母趾から来る第二指の変形(ハマートゥーなど)を
防止、軽減するものとがあります。

私の患者さんは第五指の内側に小さな魚の目があったので
第四、五指間に、摩擦防止のオトーゼを作成しました。

オトーゼ作成の為に与えられた時間は1時間半。
削る過程で失敗した時のことを考え、患者さんの足形から
まずは2つ作成。

固めてから削れるようになるまで時間がかかるので、その間に
カルテの作成とフスフレーゲ。
これらの制限時間は合わせて1時間。

カルテ作成のための質問事項は、大きく分けて8項目あります。
これらはもともとあるフォームに患者さんが記入する、というものではなく
質問から全部自分で書かないといけないので、これが大変。。
要は、ちゃんと全項目を暗記しているかどうか試されているのです。

まずは一般項目、名前、住所、生年月日、健康保険の種類、etc、
次に病歴。糖尿病、アレルギー、心臓疾患など12項目。
そして今回の(今ある)問題、疾患。
次が所見。全体的な体型、歩き方、皮膚疾患、整形外科的所見、触診など。
次に足の部分的所見、魚の目、胼胝、足の変形、巻爪、周囲炎など。

ここまでをまず患者さんに確認したあと、治療後に
治療内容、次回の来院予定日確認、自宅で気をつけることなどを
患者さんと確認、カルテにも記載します。

ほんと、お医者さんみたいですよね。

先生の判定もかなり厳しい。
例えば、私の患者さんは日焼けしている方で、小麦色の足には
白い小さな斑点が数か所ありました。
特に病的なものには見えなかったのでそれに関しては
カルテに記載しなかったのですが、後から先生に指摘され「これは
なんだと思う?」と聞かれ「シミですね」と私。
「どうしてできたと思う?」と聞かれ
年だと思ったんだけど、それならわざわざ書かないかなと思いきや
やっぱり「加齢によるシミ」だそうで、それも書くべきと言われました。

とにかくパニックになるとドイツ語で考えられなくなるので
まず第一に常に冷静でいることを心がけました。
そして患者さんにはゆっくりと、大きな声で話すこと。

まず一見して私は彼らにとって外国人だし、患者さんに不安をもたらすことは
すべての点で不利なので、笑顔と明瞭さ、冷静さを意識しました。

そして一日目はオトーゼもひとつめが見事に完成。
適応、禁忌などに関する口頭での質問もクリア。
自分としては満足な点をもらいました。

二日目はカルテ作成、フスフレーゲの後にRoss Fraserのスパンゲを作成。
本来爪水虫に対してスパンゲを作ることは禁忌とされているのですが
私の患者さんの爪水虫はほとんど直りかけで、爪もじょうぶという
ことで、右拇指にシュパンゲを作りました。

この制限時間も1時間半。
事前に何度も何度もイメージトレーニングし、実際にもたくさん
スパンゲを作成していたのでこれも無事に完了しました。
結果も、同じグループの他のドイツ人学生たちより良くて満足。

そして昨日は同僚たちと打ち上げでメキシカンレストランへ。
かなりへとへとで、今日も7時まで学校で、午前は通常通り授業後
午後はシュパンゲ1人、フスフレーゲ3人。

しかしドイツ人って分かりやすいというか、日本人の国民性とは
全然違う。
いつも好き勝手言ってすんごい強気なのに、テストだとほんと
みんなナーバスになっちゃて、緊張のあまり患者さんに
怪我させちゃったり、泣きだしたりする人も。。
日本人は緊張しても、そんな泣いたりしないですよね?
泣きましたっけ?

ていうか、最終的にはただのテストでしょ?私はテストより
患者さんを傷つける方が怖い。。

とにかく、今の心境は、ドイツ語、一言でいうと「Geschafft…(ゲシャフト)」
二つの意味で、ひとつは「やり遂げた」、そしてもうひとつは
「へとへとに疲れた」。。

でも日に日にフスフレーゲが楽しくなってくる今日この頃。
いつの日か、一流のPodologinになるのを夢見て。
今日は寝よう。もう朝だけど。
おやすみなさい。

 

世界一高い聖堂とされる、Ulm大聖堂

 

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