ドイツでの病院研修 ~衛生面と感染症~ 

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2009年から2012年にかけてドイツに滞在し、ウルム(ULM)という街でポドロギー(Podologie)を学びました。

その際に書いていたブログをこちらにリライトしています。

それに伴い、前記事は徐々に削除していきます。

ここで掲載されている情報は、その当時のものですので現在変わっている可能性があります。

また私自身の認識が間違っていることも考えられますので、ご自身でも常に最新の情報をご確認下さい。

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 ドイツでの病院研修 ~衛生面と感染症~   2011.11.11 記事より

 

今日もお元気ですか?
もうすぐ週末ですね
いやあ、やっぱり月日が飛び去ってる
明日病院に行けば、研修一週間目が終わります。

今日は昨日より更に早く、7時から研修開始。。
6時10分に家を出たのですが、外はまだ真っ暗で
辺り一面霧に包まれ、一瞬、まだ夢の中かと
思いました。

ほんとに、一日中霧がかかってて、病院の窓からも
外が良く見えないんですよ。
霧のロンドン、っていうけど、「霧のウルム」って十分言えます。

で昨日と同じく、ドクター会議後入院患者さんたちの
オペ後の予後観察へ。
やっぱりまだまだ大きな傷跡を見るのには慣れません。

 

今日も水虫の患者さんのフスフレーゲをさせて頂きました。
今日はマイ・フレーザー持参で、病院の、骨董品みたいなマシーンを
初使用。もちろんパーフェクトではないけれど、意外にいい仕事してくれて、
ちゃんとゴミ吸引もしてくれて、患者さんにも満足してもらえました。

早く自分の機械を買いたいけれども、買うならいいものを買いたいので
お金貯めないと。。今は学校やドイツ滞在費用で出て行くばっかりなので。

そして、それとともに、ドイツで施術するなら、オートクレーブ等の
滅菌機と、超音波の殺菌機が必ず必要になります。これが高い。。

病院や誰かの診療所で一緒にやらせてもらう場合には、そこのを使えますが、
ホームケアや自宅で診療するなら、自分で買わないといけません。

ここでは、衛生に関して、徹底的に教育されます。
まず自分自身がトレーガー(Träger、英語ではcarrier、菌やウィルスを
人から人へうつしてしまう媒体)になってしまわないように、最新の注意を払います。

患者さんから自分だけにうつるならまだしも、例えば水虫患者さんの
治療後に、ちゃんと滅菌されていない器具(使用した机、椅子なども含め)、
または菌の付いたままの不衛生な手から、他の患者さんにうつしてしまうことは
あってはならないことです。

あ、研修から逸れましたが、午後はまたオペ観察の他、
微生物専門のラボの方に、水虫に関して興味深いお話を伺いました。
患者さんから採取された様々な種類の水虫菌が、
培養されて見事に大きくなっている、
食事前には見たくないようなシャーレも、たくさん見せて頂きました。

ドイツでは、3人に1人が水虫を患っているまたは経験している、といいます。

水虫菌(真菌)を大きく分類すると下記の3種類。

1 皮膚糸状菌(独・Dermatophyten)
2 酵母菌(Hefepilz)
3 カビ菌(Schimmelpilz)

これらはさらに様々な菌に分類されますが、水虫のおよそ76%は1の
皮膚糸状菌類が原因となっているそうです。
14%が2の、カンジダ・アルビカンスなどの酵母菌によるもので、
これらは手足の爪や皮膚の他、粘膜、肺、頭皮などでも発症します。
残り5%がスコプラリオプシス・ブレビカウリス
(Scopulariopsis brevicaulis)などのカビ類です。

皮膚や爪の柔らかい部分から、特に傷口がある場合、
免疫力が低下している場合などに
水虫菌は侵入してきます。

ならないためには、できればプールや銭湯、サウナなど、床が湿っている
(他の人と共有する)公共の場を避ける。
免疫力の低い子供が、土遊びや動物との接触から
感染する場合もあるそうです。

しかし私のように、プールも銭湯にも絶対行きたい、という人は
なるべく衛生管理の行き届いている施設を利用する、
裸足を避け、歩く際にはビーチサンダルなどを着用する、
そういった場所に行った後には念入りに足を消毒し、
また傷口などが足にある場合には、リスクが大きいので、行かないで我慢する。

なっちまったら、とことん治療しましょう。

水虫くんは、ホントーにしぶといヤツです。
噂によると(?)何億年も地球上で生き延びてきたそうです。

そんな彼らを徹底的に治療するには、根気がいります。
途中で中途半端に治療をやめると、耐性を持ち、同じ薬では
治らなくなてしまいますので、治すなら、医者の指示の下、
しっかり治しましょう。

薬は、飲み薬や塗り薬などいろんなタイプがあります。
まず自分がどのタイプなのか、お医者さんで診断してもらうのが
いいかと思います。
ただ、飲み薬の場合、肝臓にかなり負担が掛るそうで
その為に服用を途中で中止し、せっかく治りかけた水虫が
再発する、と言ったケースが多いそうです。
今日の患者さんもそうでした。

お医者さんに行ったら、ちゃんと話しあって、自分の状況にあった
ベストな治療をしてもらいましょう。腑に落ちない場合は
他のお医者さんで、セカンド・オピニオンを求めるのもいいと思います。

今日もお読み頂き、どうも有難うございました!
ちゃんと体温かくして、風邪などひかないように気をつけて
よく寝て下さいね

 

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