自然農に学ぶ感染症の捉え方 1
爪が水虫(爪白癬)になると、
爪が厚くなったり
黄色く濁ったり、白ぽくなったり
グレーの縦筋が入ったり
爪の先端がボロボロな状態になったり
明らかに他の健康な爪と異なった状態になります。
(しかし上記のような状態でも、白癬菌が関与していない時もあります。
診断するには皮膚科で顕微鏡検査や培養検査等が必要です。)
そういった爪に悩まれて、皮膚科を受診され処方薬をずっと
罹患した爪に塗り続けていても、一年以上経ってもまったく変わらない。
何種類か違う薬を処方され何年もずっとつけているが、それでも変わらない
それでサロンにいらっしゃるというケースが割と多くあります。
そもそも、なぜ水虫(爪白癬)などの感染症になるのか。
原因はその特定の菌、ここでは皮膚糸状菌である白癬菌によって
爪の主成分であるケラチンが侵食されている(食べられている)結果
そういった症状が起きる
ということなのですが
ただ、菌は実際どこにでもいます。
人間や動物の皮膚表面(もちろん体内や腸にも)にも
土の中にも家の床にも、水中にも
地球上どこでもいます。
ではなぜ水虫になる人とならない人がいるのか
水虫になる爪とならない爪があるのか
本来人間には健康で生きられるための様々な免疫機能、バリアシステムがあります。
例えば皮膚表面には弱酸性の皮脂膜によるバリア機能があります。
皮膚表面で皮脂や汗もバランスよく保たれていると
皮膚表面は弱酸性になり、身体に害となる微生物の増殖や皮膚内部への侵入が防げるので
これにより皮膚の健康が守られます。
実際には皮膚表面に様々な微生物が常在していてもです。
皮膚表面が健康な弱酸性の皮脂膜で保護されている場合、
「微生物同士の干渉」によってもバランスが保たれているので
皮膚は何事もなく健康な状態です。
町で例えると、たくさんの善良な市民(ブドウ球菌など)の中に
数人のギャング(カビとか真菌)がいて、
それを取り締まる警察(皮脂膜や白血球)がいるイメージ。
ギャングはいるけど、警察の取り締まりがあるし、
たくさんの市民の目もあるので
活動が抑制されている。
しかしなんらかの理由でこの「バランス」が崩れてしまうと
ある特定の「強い」菌だけが繁殖し、感染症という状態になります。
町の例だと、ひとたび町の状況(皮膚表面)が悪化すると、
警察の力が弱まり
善良な市民の数も減って
生き残った市民が悪さに加担するようになり
ギャングがはびこる。
荒れ果てた町には、ギャング(白癬菌)だけが生き残る、みたいな。
あれ、余計分かりにくいか(笑)
つまり感染症になる時というのは、菌のせいというよりも
その土壌、その人自身(宿主)の環境の悪化もあるのです。
どういった時、皮膚の環境やその人の環境悪化が生じるのでしょうか。
過度な消毒薬の使用
皮膚の環境を悪化させる要因のひとつが、
過度の消毒薬の使用です。
コロナ禍からたくさんの消毒薬が売られていますが
そういったものを頻繁に使うと
皮膚表面の弱い菌だけが死んでしまい
強い菌は残って、バランスが崩れます。
また皮膚表面の汗や皮脂も頻繁に落としてしまえば
皮脂膜のバリア自体が機能しなくなります。
肌はどんどん弱くなってしまいます。
免疫力の低下
もうひとつはその人自身の免疫力が低下している時です。
例えば食事の偏り、
働き過ぎ、
肉体的疲労
精神面でのショックや疲労、
などによっても免疫力は低下します。
一般的に高齢者の方ほど免疫が低下していて感染症になりやすくなります。
また長期的に病を患っていればそこにエネルギーを必要とするので
全体的な免疫力が低下します。
長期間薬を服用することでも、体内の環境が変わります。
糖尿病/糖分の過剰摂取
糖尿病の方で真菌症にかかりやすくなりますが
それはひとつには糖尿病の合併症として
血流障害や神経障害が起こると、
免疫機能が落ちたり、自立神経にダメージが及ぶと
汗や皮脂の分泌を調節しにくくなることが関係します。
これにより皮脂膜バリアが機能しにくくなります。
あとは真菌類は糖分が好きなのです。(パンについたカビを想像してください)
糖分の摂取量が多いと白癬やカンジタなど真菌症にもなりやすくなります。
長くなりましたので、次回に続きます!
お読み頂き、ありがとうございます。
今日も良い一日をお過ごし下さい。