人は歩くようにできている
こちらはドイツのウルム(Ulm)という街
ドナウ川のほとりです。
どこでも川のほとりはだいたいウォーキングやサイクリングができるような道が充実しています。
2009年から二年半くらいウルムに住み、ポドロギー(メディカルフットケア)の学校に通っていました。
その間は学生だったこともあり、日本に居た時よりもたくさん時間があったので
よく色々なところを散歩しました。
気分転換に一人で歩く時もあったし、友人や知人と話しながら散歩することもありました。
ドイツ人の方は年齢、性別問わず散歩好きな方が多く、本当によく歩くなーと感心することが多々ありました。
フットケアを仕事にして、様々なお客様の足の問題を考えてみると
歩かなくなることで生じる問題が多いということに気付きます。
例えば巻き爪。
歩かなくなると爪が巻いてくることがあります。
それはもともと、爪は巻くようにできているからです。
特に足の爪は、湾曲していることで、歩行(移動)する際に指先にかかる衝撃を分散し
また爪があることで指先の感覚を把握することができます。
それがなんらかの理由で歩かなくなると、爪が巻く力の方が強くなり痛みを引き起こす巻き爪へと
変化してしまいます。
そして歩くという基本的な行動がなくなると、総体的に筋肉量が減ってきます。
特に身体の中で一番大きい筋肉のある太ももや臀部が細くなってしまう。
筋肉量が減れば代謝も落ち、ふくらはぎの筋肉ポンプを動かさないと血が心臓に帰りにくくなり、
血流が悪くなります。
血流が悪くなればむくみも出るし、皮膚や爪にも栄養が届きにくくなり
爪がうすく割れやすく、伸びずに堆積したり、皮膚の色も悪く蒼白や赤黒い感じになることもあります。
そして血流の悪さは、様々な内的疾患の引き金になります。
高齢者の方なら認知症が進んでしまうといったことも。。
逆に言うと、しっかりと健康的に歩けていれば、大きな問題にはなりにくいのだと思います。
あとは歩き方もありますね。
また現代社会では道はコンクリートで舗装されているため、なかなか裸足では歩けません。
人は靴を履くことで、足にたくさん備わっている小さな筋肉(内在筋)を日常生活で使わなくなってしまいました。
そのために足のバランスが崩れ、余分なところに力が掛かってしまい
様々なところに痛みが出たり、タコができたりといった問題も出てきます。
足の裏にはバランスを取ったり、危険を察知するためのセンサーがたくさんあると言われます。
センサーの働きを良くするためにも、たまには自然の中で裸足になり
砂浜や緑の上を歩くのも良いのではないでしょうか。
現代ではなかなか、全く危険がないような裸足で歩ける場所を探すのも難しいことではありますが。。
私もそんなこと言っておきながら、毎日車で移動しているので、歩く時間はここ最近本当に少ないです(^^;
春はウォーキングにも良い季節ですね。
ぜひこの機会に一緒に歩きはじめませんか。