足のむくみ
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2009年から2012年にかけてドイツに滞在し、ウルム(ULM)という街でポドロギー(Podologie)を学びました。
その際に書いていたブログをこちらにリライトしています。
それに伴い、前記事は徐々に削除していきます。
ここで掲載されている情報は、その当時のものですので現在変わっている可能性があります。
また私自身の認識が間違っていることも考えられますので、ご自身でも常に最新の情報をご確認下さい。
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むくみよさらば 2012.1.31記事より
患者さんのフットケアをさせて頂くと、本当にいろんな足があることに驚きます。
最近は、ちょっとやそっとの水虫では驚かなくなりましたが(笑)
その中で、女性の患者さんで割とよく見られるのが「むくみ」です。
人ごとではなく、私なんかも、飛行機でずっと座っていた時など、足がパンパンになり
足首周りがゾウさん状態。。
なぜ、足がむくむのでしょうか。
通常、体内の老廃物や余分な水分は、静脈やリンパ管に集められ、流れ流れて腎臓で濾過され、最終的に尿として排泄されます。
この流れ(循環)が滞り、うまく排出されないと、老廃物や水分が体内に滞って、むくみが生じます。
何が流れを滞らせるか。
まず「重力」というのが、文字通り「足」を引っ張っています。
体の中で、心臓から一番遠い「足」は、心臓ポンプの力が一番届きにくい。
また、立った姿勢で考えると、下肢の「動脈」は地面に向かって、重力と同方向に流れているのに対し、「静脈」や「リンパ」の流れは重力に逆らう方向、心臓に向かって上って行くことになります。
これらのことから、もともと足、下半身には血液がたまり、むくみやすいのです。
本来、私たちの静脈内にはちゃんと「弁」がもうけられ、血液の逆流を防いでくれています。
しかし生まれつきや、「加齢」によっても、静脈の血管壁が弱くなり、血管(静脈)が拡張傾向になるため、血液の逆流を防いでいる「弁」が完全に閉じなくなり、血液が滞りやすくなることがあります。
また、足は「第二の心臓」などと言われますが、日々、ふくらはぎの筋肉、「腓腹筋」や足の裏の筋肉を動かすことで血行が促されているのです(筋肉ポンプ)。
一般的に、女性は男性より筋肉量も少なく低体温の為、老廃物が燃焼されにくく、むくみやすいそうです。またホルモンの関係で、妊娠中や産後、あるいは更年期を迎えられた方などでもむくみが生じやすくなります。
動作的にみると、立ち仕事や、ずっと座った姿勢でお仕事をされている方で、午後や夕方になると足がむくむ、という経験をお持ちの方も多いかと思います。
私たち人間が「重力」をどうこうすることも、いまさら二足歩行を止めるのも、むろん無理なので、どうにかこの状態で血行をよくすることを考えますと。
血行を促し、むくみを防ぐには。。。
◎ むくみ防止のストッキングを着用する
今、日本ではマッサージ効果もあるものや、いろんなタイプがあると思います。自分の気に入ったものを購入してみては?
◎ 仕事の合間のストレッチやスクワット。
一時間に一度程度、トイレに行くふりして(笑)筋肉をほぐす、筋肉ポンプを動かす。
頭の血流も良くなり、仕事の効率も上がること間違いなし!
◎ とにかくスポーツ!
一週間に一度のマラソンよりも、週に三日、30分のウォーキングを。
もちろん、一日一時間ウォーキングできればそれにこしたことはありませんが。
足の筋肉を使いましょう♪ ポンプ、ポンプ
そんな時間はどこにある、という人は、仕事の合間のちょっとしたスクワットでも
十分効果あります。とにかく楽しんで気長に続けましょう♪
◎ 温水シャワーと冷水シャワーを繰り返すことで、血管の収縮を促す
お風呂上がりに、冷水を浴びるというのも効果的(心臓疾患のある方は要注意!)
◎ 足のマッサージで血行促進。アロマオイル使えば、リラックス効果も
◎ そ・し・て・温泉!でリラックスしながら、体温を上げましょう
もしくはおうちでのんびり足浴、半身浴で温まるのも良いですね
◎ 冷えに気をつける。ミニスカートの下には、必ず腹巻など。。
◎ 利尿作用の高い食品を摂取し、体内から余分な水分を排出する
スイカ、小豆、玉ねぎなど
これ以外にも、過度の水分摂取を控えましょう。
水分の排出がうまくいっていないところに、水分がたくさん入ってくれば滞ってしまいます。
といっても、例えば温泉に入っていっぱい汗を流した後に、水分補給しなかったら
干からびてしまいます(笑)
冷たいものよりは温かいものを。冷水より白湯。
中でも紅茶、生姜紅茶、ハーブティー、こぶ茶、または緑茶でも梅干しと一緒なら、
排尿をよくしてくれるそうです。
逆に温かくても緑茶、コーヒーなどは体を冷やす作用があるそうです*。
これまで、一般的なむくみに関して述べてきましたが、この他、心不全や腎臓、肝臓の病気、或いは甲状腺機能低下など内臓疾患が原因でむくみが生じる場合もあります。
むくみがひどい場合や、内臓疾患が考えられる場合などは、速やかに医師に相談してみましょう。
今日もお読み頂き、どうも有難うございました
*東洋医学にも精通されている、医学博士、イシハラクリニック院長、石原結實先生著書の、「「前兆」に気づけば病気は自分で治せる(三笠書房)」を参考にさせて頂きました。