ある晴れた日に
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2009年から2012年にかけてドイツに滞在し、ウルム(ULM)という街でポドロギー(Podologie)を学びました。
その際に書いていたブログをこちらにリライトしています。
それに伴い、前記事は徐々に削除していきます。
ここで掲載されている情報は、その当時のものですので現在変わっている可能性があります。
また私自身の認識が間違っていることも考えられますので、ご自身でも常に最新の情報をご確認下さい。
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*画像お借りしました
先日、ウルムの小さい劇場でプッチーニのオペラ、「蝶々夫人」を観ました。
1900年代初めの長崎が舞台の、日本人女性、蝶々さん(Madame Butterfly)と
アメリカ海軍士官のピンカートンの、恋愛悲劇を描いたものです。
友人が劇場でバイオリニストとして働いているため、ラッキーにも
格安でチケットを譲ってもらえたのです。(1枚700円位!)
その中で、蝶々さんは、アメリカからもう3年も戻ってこない夫が、
必ず帰ってくると信じて歌います。
「ある晴れた日に・・・あの人は必ず戻ってくる~♪(意訳)」と。。
歌い手の方々もみんな上手で、感動でした。
が、ひとつ言わせてもらえば、蝶々さんのコスチュームが、なってナイ。。
どうみても着物というよりはチマチョゴリ。。
帯が、胸の上で結ばれてるうえ、本当の帯でもないし。。なんだ?
ま、いいか。ウルムだし。
とにかくここでは、日本と中国の区別さえできない人も多いのです。
日本にいる時に予想したより、ここでは日本の認識度が低くて驚きました。
中国とか韓国とかタイとか、いろんな情報が入り混じったイメージになってるようです。
日本が中国の中にあると思ってるとか、寿司を中国の料理と思ってるとか。
「纏足は日本の芸者が履いてたんでしょう?」と何人のドイツ人に聞かれたか。。
なかにはJapanologie(日本学)を学びに
わざわざ日本まで留学に行くほど日本に興味をもっていたり、
本当の、日本の板前さんが作る寿司の違いが分かる
ドイツ人もいますが。まれです。
今や日本の認識度を高めているのはアニメや漫画(何人かのドイツ人の
友達は、私より日本のアニメや漫画に詳しい)で、あとはオートバイ、
剣道、空手、柔道などでしょうか。
最近は、福島原発について、患者さんによく聞かれます。
こんな状況の中で、日本のメンタリティーを理解してもらうのは、大変なことです。
日本の常識は、日本国内でしか通用しない、とこちらに来て改めて実感してます。
特に毎日朝から晩までドイツ人に囲まれている生活では、
日々「壁」を感じます。
文化の壁。常識の壁。メンタリティーの壁。容姿の壁。言葉の壁。。
人は、自分と異なるものをなかなか受け容れたがらないものです。
それは、日本人も同じでしょうが。
受け入れてもらうためには、努力と時間が必要です。
留学、得るものも大きいです。
楽しいこともたくさんあります。
が、苦労も大きいです。
続けるには、揺るがない動機と忍耐が必要です。
「壁」、登るか壊すには、かなりのエネルギーも必要です。
日々壁にぶち当たっている私、あっちをぶつけてはこっちもぶつけて。。
今週の心境は、こんな感じでした
⇒ ☆
(ビバルディー「四季」の中の「冬」。。)
テストは、お陰様で無事に終了しました。
まだ点は出てないけど、感触は良かったです。
週末、休憩したら、来週また元気に学校に行きます。
苦労はあるけど、いつかそれが私自身の成長につながると
確信しています。
ある晴れた日に、私は発見するでしょう。
壁の向こうに、今まで見たことがない、美しく新しい景色が広がっているのを。。
(by me)