魚の目が痛い時にスピール膏を貼った方がよい?
先日、久しぶりにI様がご来店されました。
I様は、足裏に大きな魚の目がいくつかあり、硬くなってくると痛みが出てきます。
魚の目は形状や硬さなどにより、いくつか種類があります。
すぐに治ってしまうものもあれば、削っても削っても、繰り返しできて、なかなか治らないケースもあります。
I様の魚の目は、できてから何十年も経過しており、治りにくいタイプのものでした。
病院や他のフットケア施設など、10年以上色々なところに通っておられ、私のところにも昨年
何度か通ってこられていました。
しばらくいらっしゃらないと思っていたら、「近所に魚の目の治療に保険がきくところを見つけたので
何度かそこに通ってみた」とのことでした。
どのみち何度も削らないといけないのなら、保険が効く方が良いでしょう。
それはとても理解できます。
なのになぜこちらに戻ってきたのか、訪ねたところ、そこで削ってもらっているうちに、
「だんだん魚の目がズキズキするようになってしまい、怖くなった」とのことでした。
そこでの治療は、まず自分でスピール膏を貼るように指示され、2週間位貼っておいた後に
その部分が柔らかくなったところを治療院で削るというものでした。
それを聞いてズキズキするようになってしまったのも頷けました。
通常、フットケアで魚の目やタコを削る前には、絶対にスピール膏は貼らないで来るようにお願いします。
なぜなら、スピール膏を貼ると、サルチル酸の効果で魚の目だけでなく、その周りの正常な皮膚も必要以上に
柔らかくなってしまうからです。
その状態で魚の目を取ろうとすれば、どうしても剥がれやすくなった正常な皮膚も一緒に削ってしまうことになるのです。
すると魚の目は、今まで以上に面積が拡がったり、深くなってしまうのです。
浅い魚の目が痛む時や、他に手段がない時に、一回くらい使うのは構わないでしょう。
ですが、もともと深い魚の目などに何度も繰り返し使うのは、まったくおススメしません。
しかもその柔らかくなったところで削っていくというのは、魚の目をさらに大きく深くしてしまうので
止めた方がよいです。
I様の魚の目が、ズキズキするようになったのも、深くなってどんどん神経の近くを圧迫するようになったからでしょう。
スピール膏の使用は慎重になった方がよいでしょう。
また、サルチル酸のついてない、ただ衝撃から魚の目を守ってくれる魚の目パッドも今市販で色々あります。
歩く時などにどうしても魚の目があたって痛い場合などは、そういったた衝撃保護用のパッドがおススメです。
しかしI様のように、魚の目は放置して歴史が長くなるほど、治るのにも時間が掛かります。
また、そこを庇うことで、他の部分を痛めたり、歩き方が変わってしまったりすることもあります。
なるべく早めに安全なフットケアで除去することをおススメいたします。