その巻き爪は靴下から来ているかも?
本日は久々に、介護施設様でのフットケアでした。
フットケアマシンの他、ニッパーなどの器具やタオル類、消毒用具、巻き爪ケアセットなど、
フットケアにはたくさんの荷物が必要ですので、移動はいつもじぶんの車です。
コロナの影響で先月は行けなかったので、皆様爪がかなり伸びておられ、かなりやりがいのある一日でした。
高齢者のフットケアでは、巻き爪と厚くなってしまった肥厚爪が一番の課題となります。
特に施設などですと(特にコロナの影響もあり)、買い物にもご自身で行く必要もなく、
美容院やお医者さんも来てくれるので、外出することがないため、ほとんど歩かなくなります。
そうするとタコや魚の目で悩むということはかなり少なくなります。
歩かなくなる分、巻き爪の方は増えます。
人の身体は、もともと移動することを前提に作られているのだと思います。
移動の手段は、足を使って歩くこと。
そして歩きやすくするために人間の場合は指先に爪があり、歩いた時や走る時、ジャンプする時などに
つま先を衝撃から守ってくれているのです。
爪は、真っすぐな板とは違い、縦方向にも横方向にも湾曲しています。
地面を蹴った時に指先に掛かる圧力は、この爪の湾曲により分散されます。
この湾曲、つまり爪の巻きは誰にでも元来備わっているものですが、歩かなくなると
地面から圧力を受けなくなる分爪の巻く力の方が大きくなってしまうのです。
その他にも高齢者では内的疾患や、薬の影響などによる代謝異常も大きく関係していると思います。
それに加えて爪白癬(水虫)などの感染症、爪の乾燥も巻きの原因になります。
そして見落としがちなのが、靴下の影響です。
巻き爪の方でよく見受けるのが、足に合わない小さくてきつい靴下を履いているケースです。
なぜこんな小さくてきつい靴下を履いているのか、不思議になるのですが、よく考えるともともと
きつかった訳ではなく、むくみが原因できつくなってしまったのかもしれません。
日中歩くでもなく、寝ていなければ、居室でもリビングでも、座ったままの状態になります。
ずっと座った体勢だと、重力により血液もリンパ液も下の方へ、つまり足に溜まってしまいます。
施設で座りっぱなしの高齢者の方では、おそらく9割位の方にむくみがあるのではないでしょうか。
結果、もともとは足に合っていた靴下もきつくなってしまうのかと思いました。
いずれにせよ、きつい靴下で足を圧迫し続ければ、自然と指と指が重なった状態になり、巻き爪にもなりやすくなります。
巻き爪防止のために、しっかりと足にあったサイズの靴下を選びましょう。
足首を締め付けてしまうものは避け、素材も綿やシルク、竹繊維など、天然素材のものがよいかと思います。
5本指靴下を履くことができれば指と指の間に隙間ができ、指がしっかりと使えること、
感染予防にもなることなどからなお良いかと思いますが、人によっては履けない方もいらっしゃるかと思います。
また、就寝時には靴下を脱ぎ、毎日洗濯した新しい靴下に履き替えることで感染予防になります。
たかが靴下、されど靴下
ちょっとしたことですが、靴下の見直しにより得られる効果は大きいと思います。